手付金を取り戻すまでの記録
反撃の電話
契約を白紙に?(契約から73日目)
翌々日、業者に電話をすることにした。
先日訪問した際に、言われた嘘をもう一度確認するためだ。
昼休みに、オフィスから少し離れたところで携帯から業者に電話を掛けた。
「はい、●●●[会社名]○○[担当の名前]です」
「先日はありがとうございました。▽▽[僕]です
先日、お伺いしたときにご説明してもらった内容のことを書面でいただけませんか?
○○さん、あなたこの前電話で、ごちゃごちゃ話をするのは嫌いっておっしゃいましたよね?」
「ええ、言いましたけど・・・」
「僕も、何もわからないまま、そちらに伺っていきなり、[こうだからこうしないといけないんです!]みたいなことを言われるのって嫌いなんです。
来週時間作れって言っていたましたけど、まず、前回あなたが説明した内容を書面にして、それからあなたが次の面談の際に話したい議題を書面で送ってもらえますか?
僕の職場では、重要な会議をするときは、事前に議題と資料を1週間前には配布することになっているんです。
内容がわからないまま会議に出て、すぐに決裁しろ、と言われても議論ができないからです。
前回、あなたが電話でごちゃごちゃ話をするのが嫌いというから、そちらに行ったんです。私も、そちらに着くなり、内容もわからないまま、ああしろこうしろ、と言われるのは大嫌いですから、先に書面で送ってもらえますか?」
この前は、相手の言い分を呑んだので、今度はこちらの要望を伝えた。
ところが、担当営業マンは突然こう言ったのだ。
「その話なんですけど、契約を白紙にしませんか?」
これまで、担当営業マンは、居丈高な態度で、契約は法的に成立しているのだから手付金は返さないと言っていたが、態度を急変させたのだ。
「私と▽▽様の間には、どうもわだかまりがあるみたいですので、本来はこんなことありえないんですが、私から会社に契約を白紙にするようにかけあってみますので・・・」
この時、一昨日営業マンが説明した「長期間時間が経過すると【履行の着手】をおこなった状態になる」というのはやはり嘘だったのだ、ということを確信した。
これまで散々嘘をつかれ、月収の何倍にもなる200万円を人質に取られたがために、毎日眠ることが出来ないほど苦しまされてきた。
このまま、すんなり手付金200万円を返してもらい、僕と業者との間には何もなかったようにされるのは納得がいかない。
ここから、僕は反撃に出た。
「白紙にするとかしないの話ではなくて、先日、あなたが僕に説明した内容を書面にして、送って欲しいと言っているんです。」
「そんなことをしても無駄じゃないですか。書面を作って送るにしても時間がかかりますし……」
「あなた、こうやって電話でごちゃごちゃ話をするの嫌いなんでしょ?」
「ええ、まあ、嫌いなんですけど……」
「この前、あなたが電話で話をするのが嫌いというので、そちらに伺ったんですよ。僕も言った言わないは嫌いなんでまずは説明された内容を書面にして送ってくれますか?」
「書面にするのは時間がかかりますから。こんな話をしても、お互いに無駄ですし……」
担当営業マンは、頑なに前回の面談内容を書面にすることを拒んだ。前回嘘をついたことに気づかれていると思ったのだろう。
散々、人を騙すような話をして、自分が不利になると適当なことを言って逃れようとし始める、最低だ。
僕は反撃の手を緩めなかった。
「じゃあ、どれくらい時間がかかりますか?」
「いや聞いてください。書類を作るのは手間がかかるんで。」
「一昨日お会いした時には、「来週には作っておきます」と言っていたじゃないですか?」
「書類を作ったとしても、お互いの気持ちがすれ違っている状況では、話が進まないと思うんですよ」
「だから、話をすすめるために書類を送ってくださいな、と言っているんですよ」
こんなやりとりを十数分続けた後、昼休みも終わりに近づいてきたので、
「何度も言いますけど、あなたが電話で話をするのが嫌いというので、そちらに伺ったんですよ。あなた自分の都合だけ言って、こちらが求めている前回説明した内容を書面に出来ないっていうのはおかしいでしょう。
もう昼休みも終わりなんで、電話切りますね。書面をもらうまで、次回の面談はしませんから。それでは」
と伝えると、僕は電話を置いた。